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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2002年12月のニュース一覧
▼[2002.12.29]光の照らすあした
▼[2002.12.27]殺すべき屑
▼[2002.12.25]今年の総決算の時間
▼[2002.12.24]プライバシーの性根
▼[2002.12.22]暴力音楽嗜好
▼[2002.12.21]切なる同期
▼[2002.12.19]かわいそ企業にはなむけ
▼[2002.12.18]手のひらのプロトコル
▼[2002.12.17]呼ばれぬ本当の裁判長
▼[2002.12.16]バカにつける薬
▼[2002.12.15]ドクドク,ゾクゾクと
▼[2002.12.14]あした売る音楽の姿
▼[2002.12.12]パンドラの箱の中?
▼[2002.12.10]ファイル共有は死なない
▼[2002.12.08]路線のための行動
▼[2002.12.06]striNgs humaNoid
▼[2002.12.04]未来の革命のためのなにか
▼[2002.12.02]政治にすべきこと

■2003年01月のニュース一覧
■2002年11月のニュース一覧


 
[2002.12.29]
  光の照らすあした


 ▼Apple Patent: Dynamic Ornamental Appearance(Mac Rumors)【英語】
  http://www.macrumors.com/


 わざわざモニタ部分をみなくても,気持ちが伝わってくる。言葉を読解しなくても想いが伝わってくる。そんな,あしたのために。

 アップル社による特許は,今後の新しい製品の特徴を示しているかもしれない。その特許とは,製品の外観を光による装飾でダイナミックに変化させるというもの。その光によって,ユーザーに対してなんらかのアクションを伝達する。

 そんなん特許とるなという意見はまぁ置いといて。トランスルーセントiMacでひとつのトピックをつくりあげたアップルの次の動きとして,トランスルーセントの筐体に内側から光を発し,それによって効率的なユーザーとのフィードバックを行う,ということか?(かなり不明瞭な特許なので詳細までつかめない) もちろん,パソコンの本体全体を光らせることもあるだろうし,一部分が光ることも含まれる。

 白いiBookを持っているユーザーなら,ACアダプタ差し込み口がオレンジ色から緑に変光するのを知っているだろう(オレンジが充電中,緑が充電済み)。それを,より活発に使う機器を意味するのかもしれない。たとえばモニタを常設しないサーバーで,さまざまな異常を本体や外部発光装置にさまざまな色を発光させることで示したり,iPodなどの小型デバイスで現在の状況を簡単に理解する手段としても使われるかもしれない。機械が生きている証である光を,機械の言語として使用する,というのは真っ当な流れである。国という単位でしか通用しない言語は,すでにコミュニケーションの限界に達してしまった。なんらかの代替手段が必要で,そこに,光による,なにか,がある。手振り,まなざし,に変わる,光,が,あしたを照らす。




 
[2002.12.27]
  殺すべき屑


 ▼ニュース記事の見出し引用はリンクか、著作権侵害か?(Impress INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm


 いかにも,チンピラ行為で購読者数を増やした屑新聞のするようなことです。

 読売新聞社がニュース記事の見出しを無断配信され著作権を侵害されたとして,ニュースリンク配信システムのLINE TOPICSの運営会社を訴えた。LINE TOPICSは最新ニュースの見出しをティっカー形式で表示し,ヤフーニュースの該当記事にリンクするようにしている。

 読売新聞という名前のチンピラが恥ずかしい行為をしているのはいつものことなんだが,ここまで恥ずかしいことをしていると開いた口がふさがらない。ひと言で結論づけるなら,リンクも引用もされたくないのなら,なにも公開するな,ネットワークから出ていけ,おまえがいなくても誰も困らない。

 基本的に,ネットワーク上に公開したもの,公開されたものは,その利用をコントロールすることはできない。必要があればリンクされるし,引用,コピーされる。音楽ファイルも動画ファイルも同じだ。コンテンツのすべてがコピーされたりミラーされることもあるだろう。だが,その情報の連鎖,包括力,吸収力が,ネットワークの本質,である。人は倫理感と良心を持って過度の引用や利用を控えるが,それ以上の拘束力を誰かが行使することはできない。ここ,はそういう場所である。チンピラ新聞も音楽業界も一緒。自分のためだけにネットワークがあってもらわないと困ると思っているような屑は,一度死んでもらった方がいい。




 
[2002.12.25]
  今年の総決算の時間


 ▼RIAA nominated for Internet Villain award(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/content/6/28668.html


 今年の日本のインターネット大悪党賞は,満場一致で決定しました。おめでとうございます。

 今年のインターネット大悪党賞には,ブリティッシュテレコムによってブロードバンド環境の整備の妨害などの災厄をもたらした英国電気通信庁や,調査権限規定法を定めた英国内務省などとともに,米国レコード協会(RIAA)がノミネートされた。著作権侵害を抑制するための無理難題な行動が賞された。

 今年もいろいろあった,と云うには早いのだけど,日本のインターネット大悪党賞にノミネートされた皆さんをご紹介。今年に限らず毎年常連だが,今年もネットを安全に使えないたくさんのバグをわざとかのようにOSに組み込んでくれたマイクロソフト社さん,おめでとう。プレイステーション2という大きなプラットフォームを持ちながら,今年もネットワークゲームをブレイクさせられなかったソニー社さん,そのいちばんの大役を仰せつかった舞台で空回りを続けて,なんの成果も残さなかったスクウェア社さん,おめでとう。そして,数々の苦笑を誘う判決を下してくれた日本の裁判所の裁判官の方々(過去記事12などなど),苦笑しながらおめでとう。あなたたちのおかげで今年もネットは散々でしたよ。

 そしてもちろん大賞は,エイベックス社さんだ,おめでとう。別に個人的には音楽が生活からなくなって,音楽家の方々がのたれ死んでも構わないんだけど,情報の共有が基礎であるネットワークに対してつけてくれたさまざまな難癖を,必要以上の報いを受けながらも続けた行動力はとても常識ある人間とは思えないほど。エイベックスさんは,他の会社からもリッピングできてMP3が作成できるコピープロテクトCDがリリースされる礎となってくれた。クズの規格でも出したもん勝ちという流れを作ってくれたエイベックスの偉大さは大賞でも足りないくらいなので,私もコピープロテクトCDのMP3を共有させて感謝させていただきます。ありがとう。




 
[2002.12.24]
  プライバシーの性根


 ▼テクノロジーはあなたのプライバシーを守れるか?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0212/19/cead_mccullagh.html


 プライバシーに,諦め,は欠かせない? まったくダメな者たちには手を下してもいいけど。

 国防総省の一機関が国民のさまざまなデータベースをリンクさせ,マス・データベース化させる方法を考案中だ。だがそのセキュリティは非常に弱いと考えられる。いくつか対処するための方法はあり,それらが整うまでマス・データベース化を遅らせる必要がある。

 結局のところ,ネットワーク上にあるデータを100%守る方法は存在しない。乗っ取りや侵入が可能になるバグは毎日のように発見されているし,たとえそれらへの対処が完璧であっても,管理者のひとりがぼけっとしただけで,外部からだけでなく内側からでもデータが漏れていくのは簡単だ。で,どちらかというの後者の方が起きやすいので,データをネットワーク上に置いてようが置いてまいが,情報が漏れるときは漏れる。防ぐ手だてはない。

 プライバシーのない場所でプライバシーに難癖をつけても,結局は仕方ないのかもしれない。諦めに似た気分で,そのことを認めたほうが早いのかもしれない。訴訟騒ぎにまでなっているTBCのようなお粗末な例は例外だが(ZDNet Newsの記事),要はそのようなお粗末さがあるかないかに過ぎない。お粗末な者たちには当然なんらかの罰が与えられて当然だが,だが,だが。ネットワーク上の情報はすべて公開されるものだ。写真でも音楽でも動画でも変わらない。隠すのは,1枚の暑さ1cmの塀で遮ることぐらいしかできない。ネットワークで生きていくなら,それはそう云うものと諦めるしか,ないのかもね。




 
[2002.12.22]
  暴力音楽嗜好


 ▼Windows XPとWinampから危険な調べ……?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0212/19/ne00_music.html


 平和な世の中ではどこを見渡しても平和な音楽ばかり。生きる気力を無くさせる,絶望のどん底に突き落とす,衝撃の音楽を作れる人は,もういないの? ならば,こんなMP3ファイルがその代わりになってくれるかな?

 ウインドウズXPと音楽再生ソフトのウインアンプに,パソコンを乗っ取られる脆弱性があることが公表された。普通の音楽ファイルと音質は変わらないが,インターネット・エクスプローラーで音楽を再生したり,音楽ファイルのアイコンにマウスを乗せてプレビューするだけで,バッファオーバーフローを起こすことができる。

 この,今日にでも音楽業界がこの脆弱性を仕込んだファイルをばらまくと断定的に書いているところがいいね:-P。実際のところ,音楽業界がこんな暴力を働いたらそれこそ袋叩きに遭うだろうが,すでにコピープロテクトCDで散々消費者に暴力の限りを尽くしている日本の音楽業界には,nyやmxで出回っているコピープロテクトCDのMP3にコードを仕込んで送ってあげるというのがいい使い方かもしれない。せめてもの恩返しとてして。ヘヘヘ。

 人を殺す,音楽がある。それは,憎悪の低音弦と狂気の高音弦のベースアンサンブル,それは,大鴉の血に染まった王子の踊るバレエ舞曲,それは,ワイヤードからのブローコードに応える快楽のMP3。安らげる音楽があるように,刃物となる音楽もある。はじいた弦が,吹き抜ける管が,弾いた鍵が,殴り,いたぶり,嬲り尽くす。そんな音楽を,聴いたことがある? フフフ。




 
[2002.12.21]
  切なる同期


 ▼アップルの『iSync』はマイクロソフトに勝てるか(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/021220-2.html


 iSync,バックアップ,ブルートゥース,求める気持ちで,切なる同期が形成される。

 アップル社はまもなくベータテストを終えるiSyncで,携帯電話やモバイル機器との接続を強化している。対するマイクロソフト社も,来年3月にアクティブシンクという同期ソフトの改良を発表するようだ。だが,アクティブシンクが独自プロトコルを使用しているのに対し,iSyncは業界標準になろうとしているシンクXMLに取り組んでいる。マイクロソフトには大きな変更も可能性としてはある。

 同期ソフトのiSyncにあわせるように,アップルにはブルートゥースを本格的に取り入れるという噂も流れている。年明け1月のサンフランシスコでのエキスポで,ノートとデスクトップのすべての機種にブルートゥースアダプタを付けるとの発表がある,というもの(現在USB接続のキーボードとマウスも,近いうちにすべてブルートゥース接続にリプレースされるとも)(MacOS Rumors 12/19の記事)(the inquirerの記事)。ブルートゥースの通信速度向上などがやっと固まってきたので,この動きは現実になりそうだ。デバイスと同期する手段として,最終的にはもっとも便利な代物になりうる。

 もともと,同期しているものなどなにもない心と心とが,小さなことで結びつきあうのは,ステキなこと。話したり,同じものを見詰めあったり,同じことで笑いあえばいい。もし,止めてもあふれ出てくる涙があるなら,ぬぐわずにその人の前で流し続ければいい。それによっと互いの胸に同じものが実る。切なる同期は,胸を苦しめることもあるけど,生きていく糧ともなる。人でも,デバイスでも。




 
[2002.12.19]
  かわいそ企業にはなむけ


 ▼アドビ電子書籍の著作権保護解除のロシア企業に無罪の評決(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Business/story/20021218101.html


 大失態を演じて笑いものになってくれたアドビは,あまりにもかわいそうなのでもっと罰を受けるべきだ;-P。いろいろ,やろうかな。

 アドビ・アクロバット・イーブック・リーダーの著作権を無効にするソフトを販売してデジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)違反に問われていたロシアのエルコムソフト社の裁判で,エルコムソフト社無罪の評決が出た。ソフトの販売が法に抵触すると認識していたかどうかが最大の理由となった。

 もともとDMCAがわけわかめな法律なので,それに抵触するかどうかなど,考える必要もない。エルコムソフトは面倒だから販売をやめただけで,これに違法性なんかあるわけがないとしてリリースしたに過ぎない(違法だと知らなかった,という弁護士の言葉はもちろん詭弁だ)。なぜ,購入した電子ブックのバックアップをとってはいけないのか? まともに答えられる人がいるなら聞いてみたいものだ。

 そもそも,FBIにドミトリー・スクリャロフ氏の逮捕を要請したアドビが,一部からの猛反発を受けてほうほうの体で逃げ出したのだから,なぜいまだにこんな裁判が行われているのかがわからない。それでなかったことにしているアドビの責任は,消えるわけがない。MSなどより,もっとクズ呼ばわりしていい企業だ。無罪の判決が出たのはアドビが逃げ出した時点で決まっていたことだが,なんとも馬鹿馬鹿しいやりとりに付き合わされたエルコムソフトは,こちらは本当にかわいそうだ(過去記事12)(アクロバット・リーダー2.2で動作し,暗号化された内容の25%を解読するアドバンスド・eブック・プロセッサーのトライアルバージョン,DL)。




 
[2002.12.18]
  手のひらのプロトコル


 ▼用語解説:手を触れるだけでデータをやり取り「人体通信」(Nikkei BizTech News)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/pc/220611


 君の手のひらから伝わってくる,IP。ボクの手のひらが受け止める,IP。

 データの入った通信部品を体に密着させ,人の体を通信ケーブル代わりにして微弱な電流で情報端末とデータのやり取りを行う人体通信の開発が進んでいる。触れるだけでデータをやり取りできる人体通信は,ドアノブを触っただけで認証して鍵を開ける,プレゼン資料を握手して渡す,などの使い方で,数年後には製品が誕生しそうだ。

 ちょっと関係ない話になるのかもしれないけど,東北のとある県に住んでいた子どものとき,関西地区や東海地区のラジオをよく聴いていた。雑音まじりで聴こえてくるなかで,ふとラジオを手のひらで握ると,雑音がちょっとおさまるのが不思議だった。人間の体がアンテナとなって受信できる電波が増えるから,なのかな?(きちんとは今もよくわかってない。

 でも体がなんらかの受信端末となってそれがラジオに影響を与えていたのだろうということは,なんとなくわかった。感じるものがあった。記事を読みながら,そんなことを思い出していた。たとえば右手でワイヤードネットワークとの接続部を触れ,左手で使っているノートパソコンで高速通信を行う。右手を離せば接続は途切れる。より手のひらを大きく広げて接続部に触れると,通信速度が速くなる。無線LANよりも低コストで,手軽な,手のひらがIPデバイス。




 
[2002.12.17]
  呼ばれぬ本当の裁判長


 ▼インターネットは国境を越える――そして名誉毀損訴訟も(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0212/16/ne00_suit.html


 ネットワーク上の裁判長に裁かれるのなら意味はわかるが,どこの馬の骨ともわからない裁判長のような服を着た人など,誰が呼んだのだろうか?

 米国の報道機関がオーストラリアで名誉棄損で訴えられた。オーストラリアのサーバーに置いてあるものによる訴訟だが,オーストラリアの名誉棄損法は米国よりも厳しい。ドイツやイタリアでは,国外のサーバーにある同国の法律に反するものであっても法律の適用をするという判決が下されている。

 これはかなり笑える話である。たとえばだが,産経新聞の記者がいきなり北朝鮮に呼び出されてお前の書いた記事はうちの国では許されないものだから死刑,と云われてそれにはいと従え,ということだ。どこのサイトに掲載しているものでも,どこかの知らない国で違法となっているものならその国で罰則を受けよ,ということだ。アダルトっぽいコンテンツを多少でも持っているサイトなら,どっかの国から呼び出されてもおかしくはない。

 『舞台の上の裁判長は,なぜか観客席にいた私を突然呼び出した。なにが起きたのかわからずにいると,「あなたは先ほどロビーで煙草を吸っていましたね」と,裁判長は劇中のような口調で私に問うた。「ぇぇ」と私が答えると,「………ここでは煙草を持っているだけで違法なのですよ。そう,日本と云う国で麻薬を持っているのと同じですね」と裁判長は当然のような口調で云った。私はそのまま舞台裏の牢へと連れていかれて,そして…』。




 
[2002.12.16]
  バカにつける薬


 ▼完全DVDコピーツールをDVD+RWドライブに同梱(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20021212304.html


 お薬は使用上の注意をよくお読みになり,きちんと解釈した上で,ご自由にお使いください;-P。

 321スタジオズ社は,同社のDVDコピーツール「DVD X Copy」が市販DVDドライブに同梱されることを発表した。DVD X CopyによってCSSによる不正コピー防止機能を無効にすることができる。同社はDVDを私的にコピーする自由を主張している。

 マックでDVDコピーを行うのはOSExの独壇場となっている(ただし片面1層,4.2GB程度の容量まで)。使い方も簡単で,「Fmt」で「DVD Image」を選択して(pic)「BEGIN」ボタンを押す。できたイメージディスクをToastの「その他」→「ディスクイメージ」で選択して「マウント」(pic)。マウントしたものを「DVD」のウインドウにドラッグ&ドロップして「書き込み」(pic)(Disk burnとかでも可能なのかな? 環境がないので未実験)。

 てめえの持ってるDVDをコピーしてなにが悪い,と云う意見に対し,いけません,というのが制作者側の解釈だ。コピープロテクトCDに反対しているのだったら,当然DVDに対しても同じ意見であって当然なのだが,音楽業界だけ責められるのはちょっとかわいそうだな。どっちも同じバカさ加減のはずなのに。ちゃんと両方に薬を投与する必要が,あるぢゃない?




 
[2002.12.15]
  ドクドク,ゾクゾクと


 ▼何歳になったら使わせる? 携帯電話(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20021213107.html


 心,体,を,濁,に,沈,め,る,液。

 8〜12歳の子どもの多くが今年のクリスマスに携帯電話を欲しがっている。だが,体に与える影響や学校での使用が禁じられていること,費用の問題から携帯電話を持たせることに反対している親も多い。反対に安全のために携帯電話を持たせるべきと云う親もいる。

 一般電話がIPにちょっとずつ置き換え始められているように,携帯電話とて一緒。将来的に現在の携帯電話はなくなる。携帯電話会社は3Gなどよりもとっとと完全IP携帯電話へと移行した方がよい。IP以外に3Gの使い道なんてなにもないんだから。ま,IPを中途半端に使えば十分と思っている既存の携帯電話会社にそんなことを云っても無駄かな。IPの流れの持つ意味,も知らないで。

 ドクドク,ゾクゾクとどこにいても流れ込んでくる液体は,人間が本質的に求めている,なにか。ときに甘く,ときに苦く,ときに官能的で,ときに情動的な,液。ドクドク,ゾクゾク。愛であれ,媚であれ,感であれ,精であれ,とどまることなく,人は液にまみれ,潤う。その液体はIPを流れる。ドクドク,ゾクゾク。




 
[2002.12.14]
  あした売る音楽の姿


 ▼MPEG-4オーディオの低消費化電力技術が標準化へ(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2002-1212-J-6.html


 きちんとした環境を整え,クリックするだけで,1分で音楽を購入できるようにすれば,誰がわざわざCDショップまで足を運ぶだろうか? ヘンテコな気軽に買えないメディアを買うだろうか?

 コーディングテクノロジーズ社などは,従来よりも低消費電力でMPEG4オーディオ再生を実現する技術を開発,来年5月に規格化されるMPEG4 AAC Plusに盛り込まれることになった。MPEG4 AAC Plusは現在のAACフォーマットに比べ,約半分の情報量で同等の音質を再現でき,48kbpsでもCD並の音質を実現する。

 現在のMPEG4に含まれているAACフォーマットは,96kbpsでも確かにMP3 128kbpsより格段にいい音質となっている(音質を聞き分ける耳のない私がわかるんだからそれほどのもの)。それが48kbpsでも同程度の音質を維持できるということは,MP3 160kbps:5MB = AAC 98kbps:3MB = AAC Plus 48kbps:1.5MB,となる。さらに今回の低消費電力化はポータブルプレーヤーなどへのMPEG4オーディオサポートを加速させるだろう。iPodがMP3を捨てる日は,そう遠くない。iPod 20GBモデルの売り文句は「4000曲を入れられる」だが,AAC Plusなら1万3000曲以上,となる。

 繰り返す(過去記事)。CDを買うという習慣はもう必要ない。レコードをもうお店でみかけないように,CDという存在ももう求める必要のないものだ。1曲1.5MBということはブロードバンド環境であればダウンロードするのに1分もかからないだろう。アルバムでも数分だ。音楽とはそういう存在である,と認識していい,もう。あとは業界が,クリックでひとつで購入して1分でちゃんと音楽ファイルが手元にある状態を作ればいいだけだ。けど,今の失礼極まりない,人をバカにすることで生きているような態度だと,nyやmxで落とされて終わりだろうな,へっ。




 
[2002.12.12]
  パンドラの箱の中?


 ▼まだ著作権カルテルがほとんど勝っているが……(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/K2002120700343.html


 足下が冷たいなと思っていた。新しい靴が入っているともらった箱を抱えていたが,いざ箱を開けてみると,中身は空で,底が抜けていて足下が丸みえだった。何気なくみると,靴を履いていないだけだった。

 裁判所では言論の自由と顧客の権利を無視する著作権カルテル側が勝利し続けている。議会もすっかり知的所有権ロビーのいいなりだ。だが,米国でもっとも影響力のある法律家は,知的所有権法の範囲の拡大を強く非難している。マイクロソフト社の研究者は論文でコピープロテクトは失敗すると結論付け,余計なセキュリティより便利さと安さだと書いている。

 簡単に云わなければわからないのなら云えばいい。音楽CDを3000円で売る商売も,DVDビデオを5000円で売る商売ももう成立しないのだ。音楽とは1曲5MBのファイルでしかないし,ビデオとは30分200MBのファイルでしかない。もともとCDやDVDというメディアに金を払っていたわけではない。物理的メディアなどに必要価値などない。5MB,200MBのファイルになんか金を払う人なんかいないと思っている? 違う。買う人は買う。買わない人は買わない。業界は,いったい今「なに」を売っているつもりでいるのか? その意識のない者のつくるものに金など払う必要はない。ファイルを落として満足しろ。それで十分だ。

 MSの研究者の論文(過去記事)には「ネットワークによってパンドラの箱が開いてしまった」と書かれているが,ネットワークが一般的でなかった10年前でもレコードを買わない人は買ってなかった。カセットテープで十分だった。開いたパンドラの箱は底が抜けていて,みえていなかった足下の現実がみえただけなのだ。ネットワークを悪者にすればそれですむ,と思っているようなら,もう救いようのないバカ,でしかない。




 
[2002.12.10]
  ファイル共有は死なない


 ▼「P2Pファイル交換による違法コンテンツの撲滅は不可能」(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/1209/dark.htm


 ファイル共有を殺そうとすることは,ネットワークを殺そうとすることと変わりはない。そして,ネットワークは死なない。人間が死んでも地球は残るように,ネットワークは死なない。人を殺す武器はあるが,地球を壊す武器は存在しない。

 11月に行われた会議でマイクロソフト社の研究者が「ピア・トゥ・ピアのファイル共有による違法コンテンツの撲滅は不可能」とする論文(Wordファイル)を発表した。無限に効率のよいファイル共有の存在の前では,どんなに洗練された著作権保護システムも意味をなさないと指摘している。

 爆笑してしまった。面白すぎるよ,MS。著作権保護機能などまったく意味がない,と著作権保護機能にずんずん足を踏み込んでいくMS内部の人間が断言している状況はかなり笑える。コピープロテクトCDなどを作っている人たちも,この論文を笑えるんだろうね(←笑う理由が違います。ぃゃ〜楽しい楽しい。

 動画は落とすのが大変だからまだ商売のネタになると書かれているようだが,その見解も怪しい。ナップスターが出始めたころ,ダイヤルアップで1曲を落とすのに数10分かかっていても,ナップスターは使われていた。音楽も動画も情報に過ぎない。すべての情報は流通し,検索され,拡散するべきもの。別に商売を止めろとは云わない。なんだったらCD1枚を3万円ぐらいで売ったら? それでも買う人は買うんだから。とにかく,今の商法はすべて破綻しているもの,と認識すべきである。




 
[2002.12.08]
  路線のための行動


 ▼2003年のMacworld Tokyoはキャンセル(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0212/06/njbt_01.html


 スイッチCMだけでは日本人に対する遡及効果は薄い。路線変更を明確にするのは構わないけど,代わりになにかをみせないと,いる意味がない。

 IDG・ワールド・エキスポ社は来年のマックワールドエキスポ東京をキャンセルしたと発表した。主要な出展者から締め切りまでに申し込みがなかったためと理由を述べている。昨年の同イベントには約17万人が来場した。

 「主要な出展者」ってアップルのことでは? といぶかっていたらWIRED NEWSの記事ではアップルが不参加を決め,アドビ,マクロメディア,MSも参加を取りやめたとある。まぁ十分に考えられることではある。

 結局は2004年夏にボストンで行われる予定のマックワールドエキスポに不参加を表明したのと同じだが(過去記事),実際エキスポに訪れる人のほとんどはマックユーザーだ。それ相手に多額の投資をするなら他のことに金を使った方がいい。今アップルが開拓すべき相手は,新規顧客だけに徹底的に絞り込むべきだ(なにせパソコンユーザーの97%もその相手はいるんだからね)。ただし,米国では直営店がその役割を十分に果たしているようだが日本では状況が異なる。新規顧客獲得のためになにをしているのか,あまりみえてこない。米国本社と同じ路線をたどるのなら,日本支店;-Pも目にみえるようにもっとやることやらなきゃね。




 
[2002.12.06]
  striNgs humaNoid


 ▼宇宙の素はプログラム(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/021122-1.html


 愛する行動のストリング演算子を誰かが作為的に変更することで,戦争が起こります。プログラムは嘘をつきません。

 物理学者のスティーブン・ウルフラム氏の考えでは,宇宙は粒子と波動からではなく,単純な短いプログラムからできている。無数のプログラム,つまりアルゴリズムによって宇宙や人間のような物理現象が生み出されているのだ。この考えは彼の著書で詳しく説明され,知識人や科学者に衝撃をもたらした。

 メールやウェブ上にある文字は,人間や社会を表すものの1%にも満たない。やがて,肉体はホログラム(つまりは完全なる記録)としてネットワーク上に実在し,声があり,匂いがあり,手触りがあり,そして感情・思想が,そこから生まれるべきカタチへと進化する。ネットワークとは現実のサブシステムではない。メインとして機能し,活動する世界だ。

 そのとき,宇宙を作るプログラムはプロトコルのベースとなる。完全な人間がワイヤードを彷徨いだす。それは人間に対する卑下ではなく,ただずっと,何千年も前からそういう存在であっただけ。人間は脳の特定個所を刺激すると笑いだしたり悲しみだしたりする,それはスクリプト式内の算術演算子をちょっとひねることと同じ。そして,宇宙は,人は,ワイヤードは…。




 
[2002.12.04]
  未来の革命のためのなにか


 ▼[Analysis] アラン・ケイ、天才の復活(@IT)
  http://www.atmarkit.co.jp/news/


 タブレットPCにはたいした未来は感じられないが,その上で動くソフトになにか,があれば,話は変わる。ぃゃ,それはタブレットPCだけの話ではなく,パソコン自体のこと。もっと大きな革命的ビックバンは,まだまだ未来にある。

 ヒューレット・パッカード研究所がアラン・ケイ氏を迎えたというニュースが全世界を走った。ヒューレット・パッカード社は,先ごろ発表されたタブレットPCの基本概念を40年前に生み出した当人であるアラン・ケイ氏を迎え,「本物のタブレットPC」の開発に強い意志を示している。

 アラン・ケイはゼロックスのパロ・アルト研究所で,初期のオブジェクト指向言語であるスモールトークやイーサーネットの開発を行い,インターネットの前身であるアーパネットの設計も行った。そして1973年にパソコンの試作機であるアルトを作った。79年にアップルのスティーブ・ジョブズやジェフ・ラスキン,ビル・アトキンソンらがパロ・アルト研究所を訪ね,まさにアルトを開発する目的で,のちにマックが作られた。アラン・ケイは初期のマックをみて,「1リッターのガソリンタンクしかないホンダ車」と酷評してジョブズを憤慨させたが,「マックは批判するに足る初めてのコンピュータであり,IBM PCはなにかを話す価値もないもの」という言葉と合わせて考えるべきなのだろう。

 (Masato Sumiさんからこの項の記事についてご指摘をいただきました。感謝します。この記事はのちほど変更される可能性があります。)




 
[2002.12.02]
  政治にすべきこと


 ▼ギークスよ、政治行動を起こす時が来た?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0211/29/cead_mccullagh.html


 海の向こうの話ではなく,日本でも同じだ。今,なにをすべきなのか? たとえば政治家に「あなたはコピープロテクトCDと消費者の間にある問題をどう思いますか?」という問いに答えさせれば,次の選挙でどの議員を落とせばいいか,簡単に見分けられる,という人は多いだろう。IT系のニュースサイトには,そんなことをして欲しいものだが。

 政治家たちがテクノロジーに対してますます危険なスキームを費やすようになってきたが,彼らを次の選挙で楽させるような計画がいつくか進行中だ。ソフトウェアの特許,ユーザーインターフェイスの著作権,デジタルミレニアム著作権法(DMCA)など脅威となるものは多い。

 「ギークPAC(政治活動委員会)」のときが来た,と記事は説いているが,実際はもうすでにギークスたちだけの問題ではなく,一般市民にも大いなる影響ある事態となっている。音楽業界,ハリウッドなどの思い通りにさせるための法案の話があれこれと伝わってくる。DMCA,記事にも出てくるコンシューマ・ブロードバンドおよびデジタルテレビジョン・プロモーション法(過去記事),テクノロジーの推進を弾圧する動きはわらわらと出てくる。

 DVDビデオを視聴するためにDVDにかかっているCSSプロテクトを迂回するDeCSSが,違法としてDMCAによって裁かれた。だが,そのDMCAの発端となった世界知的所有権機関の条約に加盟しているのは世界の37カ国だけだそうだ(日本も含まれる)(TidBITSの記事)。なぜ条約に署名しない国が多いのか? それによってどんなことが起こるのか,社会・文化の発展にどれほどの制限をつけることになるのか,を考えたら慎重になる国が多いのは当然のことだ。業界からの圧力に屈した国が首を並べているだけ,と思っていい。さて,なにかをした方がよさそうだが。




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